クローン病

消化管に炎症や潰瘍が起こるクローン病

クローン病 若年層クローン(Crohn)病とは、全身のあらゆる消化管に、潰瘍や浮腫ができる炎症性疾患です。潰瘍性大腸炎とまとめて、炎症性腸疾患(IBD:Inflammatory Bowel Disease)とも呼ばれています。 一番多くみられる症状は腹痛と下痢(70~80%)で、発熱や血便、貧血、関節炎、栄養障害、痔ろうなども伴います。発症する原因は未だによく分かっていません。そのため、厚生労働省からは指定難病の一つとして定められています。若年層に多くみられ、発症年齢のピークは男性ですと20代、女性ですと10代です。

クローン病の症状と原因

症状

  • クローン病 下痢 症状下痢
  • 腹痛
  • 血便
  • 体重減少
  • 貧血
  • 全身の倦怠感
  • 発熱
  • 腹部の腫瘤

主な症状は下痢と腹痛、血便です。症状がひどくなると先述した症状に加えて、体重減少や貧血、発熱、全身の倦怠感、腹部の腫瘤なども伴うようになります。合併症として、瘻孔(ろうこう:腸に穴が開いてしまうこと)や腸閉塞、膿瘍、虹彩炎、関節炎、結節性紅斑、肛門部病変などが起こることもあります。また、合併症によって、症状も変わります。

原因

残念ながら、原因は未だにはっきりと解明されていません。麻疹ウイルスなどの感染症や遺伝、腸管粘膜に異常を引き起こす食品の成分、腸管の血流障害などが関係しているのではないかという説もあります。
しかし、近年の研究では、何らかの遺伝的素因を持っている方の腸管内に棲む免疫細胞(リンパ球など)が、食事や腸内細菌叢などに過剰に反応して、発症・増悪(容態が悪くなっている状態から、さらに悪くなること)するのではないかと考えられるようになっています。

また、先進国の患者数が多いことから、タンパク質や動物性脂肪の摂取量が増えるほど、発症リスクが上昇するのではないかという説もあります。

クローン病の検査

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まずは問診で症状を丁寧にお伺いします。血液検査などを行った結果、貧血がみられ、かつクローン病が疑われる場合は、大腸内視鏡検査などの検査を受けていただきます。
当院の大腸内視鏡検査は、実績・経験豊富な専門医が担当しています。大腸内視鏡検査の詳細は、下記ページにてご確認ください。

クローン病の治療

クローン病の治療クローン病の治療法は主に3つあり、投薬治療と栄養療法、外科的治療(手術)です。

薬物療法

腸管の炎症を抑えるために行います。症状がひどい場合は5-アミノサリチル酸製薬や副腎皮質ステロイド、免疫調整薬などを服用していただきます。特に、アミノサリチル酸製薬や免疫調整薬につきましては、症状が落ち着くようになった場合でも、再燃を予防するために服用を続けていただくこともあります。
これらの服用を続けても症状が改善されない場合は、抗TNFa受容体拮抗薬などの処方を検討します。

栄養療法

成分栄養剤(エレンタール)を用いて、経腸的に栄養を摂取する療法が行われます。また、小腸に強い狭窄(狭くなること)や病変がみられる場合は、点滴治療(完全中心静脈栄養)を行い、絶食状態で過ごしていただきます。症状が軽い時は通常の食事を行っても問題ありませんが、その時でも低脂肪食・低残渣食を心がける必要があります。

外科的治療(手術)

治療効果が不十分で小腸や大腸の潰瘍を繰り返し狭窄変形がひどい場合は、内視鏡的拡張術をすることもあります。腸閉塞や穿孔(腸などに孔があく状態)、膿瘍、大量出血といった合併症がありましたら、外科治療を選択します。ただし近年では、抗TNFα抗体をはじめとした、効果的な治療薬が用いられるようになったため、手術が行われるケースは以前に比べれば減りつつあります。

注意

クローン病は潰瘍性大腸炎と異なり、腸管壁の深層にまで炎症が生じます。そのため、何度も炎症が繰り返されることで腸管への負担が大きくなり、狭窄などの合併症リスクが高くなってしまうことがあります。また、症状が落ち着いている時でも、病状が知らず知らずのうちに進行していることもあるため、寛解状態を長く維持することが大切です。そのためには、常日ごろから疾患の状態を把握して、治療をコツコツ継続したり、定期的に検査を受け続けることが大切です。

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