「毎年きちんと胃カメラを受けておいた方がいいですか?」
今回のブログではそんな疑問にお答えします。
たとえばピロリ除菌後の患者様では、除菌後胃がん発生のリスクがある程度懸念されるため 1〜3年毎の定期的な胃カメラをします。
それに対し、健康人におこなう胃カメラは、35歳以上で3〜5年に1回が目安であり、自費診療で約15,000円かかります。
最近では「検診センターの代わりに毎年こちらで自費胃カメラを受けたい」というご相談をよく頂きます。安心のため毎年検査したいというお気持ちは良く理解できます。
しかし、検査には一定のリスクも伴います。医学的に適切とは言えない頻度での胃カメラの繰り返しは かえって健康を損なう場合があり、リスクとメリットのバランスを考えて必要性を判断しなくてはなりません。
また、当院はピロリ除菌後フォローなど 胃カメラをする医学的理由 がはっきりしている患者様を優先的にご案内できるよう体制を整えております。
そのため、健康チェック検査を毎年ご提供するのは難しい状況です。
なお、これらは無症状の方の定期検査についてのお話です。
症状のある方、たとえば過去に逆流性食道炎と診断されていて 以前と類似の胃痛・胸やけなどでお悩みの場合には まず外来診察でご相談ください。
再度胃カメラ必要かどうか、患者様おひとりお一人に合わせてご提案いたします。
このような患者様にとって時々症状がでるのはごく自然なことで、特別な場合を除き定期検査は必要ありません。
症状がでたときに最初に必要なのは胃カメラではなく、内服治療なのです。
また、「毎年の健康チェックを兼ねて、たまにある症状を理由に保険診療で胃カメラを受けたい」というご要望をいただくことがあります。
お気持ちもよく分かるのですが、このような検査は自費が基本となります。
今回のブログでは、胃カメラの適切な検査間隔について取り上げました。
当院では、医学的な必要性があるかどうかを丁寧に判断し、保険診療の適正運用を大切にしております。
本当に検査が必要な方に診療の機会をしっかりお届けできるよう、「念のため毎年やっておきたい」といったご希望には、お応えすることが叶いません。
どうぞご理解とご協力のほど宜しくお願い申し上げます。