ピロリ菌感染症

ピロリ菌感染症について

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)感染症についてピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)とは、「ウレアーゼ」という酵素をもち、アンモニアを作り出して自身の周りにある強酸性の胃酸を中和させることで、胃の中へ住む細菌です。
ピロリ菌に感染すると、慢性的な胃炎が引き起こされます。胃炎の状態が長く続くと萎縮性胃炎へ進展し、潰瘍やがんなどの発症リスクが上昇します。
ピロリ菌に感染しているかどうかは、内視鏡によって調べることが可能です。
近年では除菌後の患者様が増えたため、新規の感染者をみつけて除菌治療をする頻度はかなり減っています。

ピロリ菌感染症の
症状と原因

症状

ピロリ菌に感染した場合でも、全ての方に直接的に症状が現れるわけではありません。
しかし、時に胃痛やむかつき、胸やけ、吐き気・嘔吐、腹部の膨満感、食欲不振、体重減少などの症状が出現します。
ピロリ菌による機能性ディスペプシアと、それによって誘発される逆流性食道炎のためです。

原因

原因ピロリ菌が感染する原因(経路)は、未だはっきりとは解明されていません。わかっているものの一部としては、汲み取りトイレや畜舎により土壌から汚染された井戸水の飲水や、下水道設備などの環境衛生の不備が関係していることが指摘されています。実際に、戦後の上下水道がまだ普及されていなかった高齢者の世代にピロリ菌の感染者数が高い傾向があります。最近では除菌後の患者様も増え、未治療のピロリ感染症の方はだんだん減ってきている印象です。
その一方で、ピロリ感染を放置してしまったために、キスや食べ物の口移し、食器の共有などでピロリ菌がうつってしまうケースがありますピロリ菌の多くは3歳未満の幼少期に感染するため、同居家族内での感染を防ぐことは重要です。
ともあれ、現代では生活環境が改善されており、最近の若年者(10~20代)ではピロリ感染率は数%あるかないかくらいと非常に少ないです。
ピロリ感染の多くは3歳未満、おそくとも5歳までに起こると言われています。それ以降のご年齢では ほとんど感染が成立しないのが特徴です。このため、成人になってからのピロリ菌検査で一度陰性が確認できれば、これから先 ピロリ感染する可能性は限りなく低いとお考えください。

ピロリ菌感染症が原因となりうる
さまざまな疾患

ピロリ菌は以下の病気の発症・進行に関わっているとことが指摘されています。

  • 胃・十二指腸潰瘍
  • 胃がん
  • 機能性ディスペプシア
  • 鉄欠乏性貧血
  • 胃過形成性ポリープ
  • 胃MALTリンパ腫
  • 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
  • 慢性蕁麻疹

ピロリ菌の検査

内視鏡中に行うピロリ菌検査

  • 迅速ウレアーゼ検査

ピロリ菌が「ウレアーゼ」という酵素を出す性質を利用した生検です。胃粘膜の組織を採取して行います。
安価でかつ短時間で受けられるため、内視鏡などでピロリ菌の感染が疑われた時に、すぐ受けることが可能です。

  • 組織検査

採取した胃粘膜の組織をホルマリンで固定し、顕微鏡を使ってピロリ菌がいるかどうかを調べる検査です。

  • 培養検査

採取した胃粘膜の組織を培養し、ピロリ菌がいるかどうかを調べます。培養は時間を要するため、検査結果の報告は検査日から7日後になります。

内視鏡を
用いないで行うピロリ菌検査

  • 尿素呼気検査

容器に息を2回吐いていただき、呼気に含まれる二酸化炭素を調べる検査です。
ピロリ菌が出すウレアーゼは、尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解します。この時、二酸化炭素は呼気の中に出てきます。
検査時の痛みは一切なく、30分ほどで終わるため患者様の負担はかなり少ないです。
精度も優れているため、除菌治療をした後、完全に除菌できているかを調べるためによく利用されています。

  • 便中ピロリ抗原検査

便中に含まれるピロリ菌抗原を調べる検査です。検査時の負担が少ないため、小さいお子さまも検査を受けられるメリットがあります。

  • 抗ピロリ抗体検査(血液から)

血液や尿の中にある抗ピロリ菌IgG抗体を調べる検査です。
内服薬の影響を受けない検査ですので、胃潰瘍薬を服薬している方も受けられます。ピロリ菌の除菌に成功すれば抗体価は下がりますが、完全に下がるには1年以上かかります。

ピロリ菌の治療と除菌方法

ピロリ菌の除菌は、一次除菌と二次除菌があります。一時除菌で除菌ができなかった場合は、二次除菌を受けていただきます。
二次除菌までは保険適応ですが、三次除菌以降は自由診療となります。

1次除菌

1次除菌では、胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)と2種類の抗生剤(クラリスロマイシン・アモキシシリン)を1日2回、1週間継続して服用していただきます。
1次除菌での除菌成功率は、約90%です。
4~6週間経過しましたら除菌効果を調べます。十分な除菌ができていない場合は二次除菌を受けていただきます。

2次除菌

2次除菌でも1次除菌と同様に、1日2回の服用を1週間継続していただきます。二次除菌は、抗生物質のうちの1種類を、違う種類の抗生物質に変えて行います。
除菌成功率は約95%ほどです。

ピロリ菌感染症の
疑いがある方は当院へ

待合先述したように、ピロリ菌は胃がんの発症リスクとなります。そのためピロリ菌感染していた場合には、除菌療法によって胃がんの予防をします。ピロリ除菌に成功後は、(除菌しなかった場合に比べ)胃がん発症リスクがかなり少なくなります。しかし、それでも遅れて胃がんが顕在化してくる場合があり、それを除菌後胃がんと呼びます。このような観点から除菌後も適切なタイミングで定期的な検査をおすすめしています。

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