お話だけ聞いて「心配ない」と断言できる血便は なかなかありません。
例外は、直近で大腸内視鏡を受けていて 異常がなかった場合です。
血便をくり返す場合は検査が望ましく、後日の大腸内視鏡検査を覚悟して”大腸内視鏡相談外来”の予約をお取りください。
くりかえす血便には
大腸内視鏡を
その血便、どんな色ですか? すぐやって頂きたいこと
血便とは赤みのある便で、主に肛門や大腸からの出血を疑う症状のことです。診断・治療を行う上で、便の色は重要なので、スマートフォンなどで撮影して頂くと良いです。
避けて頂きたいこと
はじめての血便では、驚きや不安から気が動転してしまうことは少なくありません。このとき避けて頂きたい事柄が2つあります。
1つ目は、出血当日の予約外・直接ご来院による受診です。
少量~中等量の血便に対する正しい対応は計画的な大腸内視鏡です。原則として緊急受診は不要で、慌てて仕事を休む必要もありません。
まずは本ページで後述する自宅での対処を行い、それでも血便が長引く場合や、くり返す場合は大腸内視鏡を念頭に 落ち着いて大腸内視鏡相談外来をご予約ください。
2つ目は「大腸内視鏡を受けたくないけど不安」といった趣旨の長時間カウンセリングです。
それでご不安が軽減できたとしても きちんとした診断の機会を逃しており ご本人様にとって不利益です。
また、他のご予約患者様の待ち時間が大幅のびる原因ともなります。
適切な診療のため、どうかご理解とご協力をお願い申し上げます。
血便が出たときの対応
【多量に出血している場合】
便器の底が見えないようなドロドロ・赤みのある血液が何回も排出される場合は多量の血便であり、緊急性が高いです。ただちに造影CT(または ごくまれに造影CT後に緊急大腸内視鏡)を行って、そのまま短期入院となることがしばしばです。原因にもよりますが ほとんどの場合は絶食による腸の安静、止血剤の点滴が必要となるからです。状況によっては輸血をすることもあります。このような事情から、多量の血便時には救急車を呼んで総合病院へ直接受診されることをおすすめ致します。その状態で座って外来の受診の順番待ちは難しいからです。
【中等量〜少量の出血の場合】
便器にたまった水がうっすらピンクになる程度の場合は、中等量の血便です。
また、便の一部が赤かったり、ティッシュに付く程度の出血の場合は少量の血便です。
いずれも緊急性が低めですが、多くの場合は後日 大腸内視鏡を要します。後述の【まず便通の改善が必要な血便】のような例外もありますが、繰り返す場合には検査を受けることを念頭に大腸内視鏡外来を予約してください(受診当日は血液検査と下剤の処方をし、後日 大腸内視鏡をしていきます)。
【まず便通の改善が必要な血便】
10〜30歳代で「大腸がんの家族歴なし」かつ「慢性下痢を伴わない少〜中等量の出血」で、さらに「たまに出血するが3日ほどもあれば 止まる」、「腹痛なし」のような場合は、そのほとんどが裂肛出血です。いわゆる 「切れ痔の出血」のことで、排泄時に硬い便で肛門管が引っ張られて裂け(または、まれに勢いよく下痢を排泄する圧力で裂け)出血します。肛門痛を伴わない無痛出血であることが多く、これは痛覚のない部位(歯状線近傍の肛門管)が裂けるからです。
このような場合、便秘・硬便が出血誘因となることが多いので まずはマグネシウムが主成分となっている市販の緩下剤で 継続的に便を軟らくし、よく見かける 痔のぬり薬 を数週間ほど使って 改善・予防ができるか経過をみます。これらに反応なく血便を繰り返すような経過であれば原因の精査が必要なので、 大腸内視鏡外来を予約してください。統計上は 切れ痔の頻度が高いとはいえ、今のご自身に何が起こっているかは これから大腸内視鏡をしないと確定できません。ですから、大腸内視鏡をすすめられることを念頭にご来院ください(受診当日は血液検査と下剤の処方をし、後日 大腸内視鏡をします)。
血便の原因は?考えられる病気
大腸ポリープ(大腸腺腫)
大腸腺腫は放置するとがん化します。大腸内視鏡を行った際にこれを見つけるとその都度切除をします。ポリープそのものが出血することも皆無ではないのですが、まれです。むしろ、ポリープ切除後出血の方が 頻度の高い血便原因の1つです。大腸ポリープを切除した その晩か、翌朝頃に血便を生じることが多く、出血量が多い場合だけは緊急大腸内視鏡による止血が必要です。そして、しばしば短期入院を要します。少量~中等量であれば緊急大腸内視鏡をせずとも自然に止まることが多いです。
大腸がん
大腸にできる「がん」で、初期のうちは自覚症状に乏しい傾向です。便通異常や便に血がまじる等の症状が最初にでます。
潰瘍性大腸炎
大腸の粘膜に「びらん」や「潰瘍」ができる疾患で、指定難病の一つです。繰り返す下痢、腹痛に伴って血便が現れます。
虚血性腸炎
大腸の血管が一時的に詰まってしまうことで、大腸粘膜に炎症や潰瘍ができる疾患です。かなり強い腹痛、数回の茶色下痢に引き続いて、赤色下痢に変わる経過が特徴となります。
痔核出血(内痔核)
日本人の3人に1人は発症すると言われている疾患です。肛門付近の違和感、出っ張りなどの症状が起こります。程度の軽い内痔核はほぼ出血しません。実際の診療で血便が痔核出血である頻度はかなり少ない印象です。
裂肛出血
いわゆる 切れ痔の出血のことです。肛門痛がある場合はご自身で「切れ痔かも」と気付きやすいですが、実際には痛みが無いことのほうが多いです。これは、痛覚のない歯状線近辺で裂けていることが多いためです。若年患者様に起きる少量血便の多くは、裂肛からの出血です。
大腸憩室出血
大腸憩室から多量の出血が起こる疾患です。ショック状態になるほど出血した後は一旦自然止血されるのですが、その後また出血を繰り返すことがあるため原則入院が必要です。造影CTで出血箇所が詳しく特定できる場合は入院下で緊急大腸内視鏡を行い、止血を試みることもあります。無数に憩室があるケースでは、出血点を特定しきれず止血成功率が かなり低くなります。出血がコントロールできず、内視鏡での止血も困難な場合は血管造影で出血箇所の動脈を塞栓することもあります。このように憩室出血は総合病院へ受診すべき疾患です。
出血性直腸潰瘍
寝たきり・便秘の患者様に起こります。宿便によって起こる直腸潰瘍から急性出血してオムツに多量の血便がでます。元気に歩き回る患者様には、ほぼ起こりません。入院下・緊急大腸内視鏡での止血術が効果的である数少ない疾患の1つです。入所しているご施設から総合病院へ救急車で搬送になるケースが多いと思います。ご自宅で療養していたとしても「多量出血、ほぼ寝たきり(全介助)の状態」でクリニックへ受診して待合で座って診察の順番を待つのは難しく、ご家族様やご本人様にとって負担が大きいです。このような場合には救急車で総合病院へ搬送・受診なさることをおすすめ致します。
出血性大腸炎
細菌性腸炎の一部では、発熱、腹痛、嘔吐などにくわえて、赤色の下痢を伴う場合があります。抗菌剤で治療をし、軽快してから後日大腸内視鏡を検討します。
クローン病
指定難病の1つです。慢性的な下痢症が主な症状ですが、出血をともなうことがあります。大腸内視鏡が診断のきっかけとなります。
血便精査のスタンダードは計画的に行う大腸内視鏡
「お話を聞いただけで、心配ないと断言できる」ような血便はなかなか存在しません。理由があって出血しているのだから、繰り返す場合には やはり大腸内視鏡が望ましいです。
その一方で、出血した当日におこなう「行き当たりばったりの緊急大腸内視鏡」には注意が必要です。このような緊急検査では便や血液が腸内に残っていますから、視野が悪く見落としの原因になります。当然のことながら、後日大腸内視鏡のやり直しが必要です。緊急大腸内視鏡が有効なのは、ポリープ切除後の出血を除けば ごく特殊なケースのみです。出血源がわからない少量~中等量の血便に対するスタンダードな検査は、計画的に行う大腸内視鏡なのです。
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